トレンドに左右されず、冬におなじみのメンズファッションの定番アイテムのPコートは、カジュアルにもキレイめにも使えるアウターとして幅広い男性に人気。
エレガントさも醸し出してくれるPコートは女子から見ると知的な男性という印象が強いそうです。
カジュアルにもキレイめにも、汎用性の高さが魅力のPコート
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元々は船乗りなど水兵用の軍服として用いられていたコートで、作業性を重視するため、丈は短めに作られていること。
リーファーカラーと呼ばれる特徴的な大きな襟のデザインや、碇があしらわれたボタン、手を温めるため縦に切り込み状に入っているマフ・ポケット が使用されています。
防寒性を重視したメルトン生地で厚みがあるものが多く、コートの中でも丈が比較的短いので、カジュアルな印象がありますが、もともと海軍の防寒着だけに機能性に基づいたデザインがなされています。
-この記事の目次-
Pコートの語源について
Pコートとは英語ではpea coatと書くらしく、日本ではPコートと記載されることもありますが、
コート名の由来はオランダ語でラシャ(紡毛という柔らかく起毛した厚手素材の織物のコートを意味するPij Jekker(ピーヤッケル)が語源とされています。
Pコートにはダブルとシングルに区別
Pコートはデザインによって、ダブルPコートとシングルPコートに分けることが出きます。
前面のボタンが二列になったダブルPコートは軍服時代からの歴史あるデザインのクラシックな雰囲気のため、かっちりとした着こなしにもフィットします。
逆に前面のボタンがシングル仕様のシングルPコートは現代らしいデザインで、よりカジュアルに着こなせるのが魅力。コーデをスッキリとまとめたい方におすすめです。
Pコートの定義について
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ここでは主に、クラシックなダブルPコートの定義について解説します。
Pコートは19世紀イギリスで海軍の軍服として用いられ、漁師の間でも愛用されていたことで、海の上の男達を寒さから守る為につくられました。その主なデザインの特徴は4つあります。
一つ目は、8または10個のボタンがダブルレストの左右どちらでも上前を変えることができるデザインです。
Pコートの特徴として、ボタンのかけ方を左右で変えられるということがあります。 これは船の甲板などなどの厳しい気象条件で、 風向きに合わせて、ボタンの掛け方を変えて風が入ってくるのを防ぐため為に採用されたデザインです。
二つ目は、Pコートに使用されるウール素材はダッフルコートでも使用されている「メルトン」という高密度で重厚感のある生地を使用。
一度織り上げた生地を縮絨し、織りを隠すようにフェルト加工を施すことで、寒さや風雨に耐えうる、防寒機能を向上させている重厚感のある作りが特徴。
三つ目は、コートの顔ともいうべき襟幅が厚いリーファーカラーと呼ばれる特徴的なダブル衿のデザイン。
これは、船上で集音効果を高めるために大きな衿の設計が施されており、それと共に船上での防風を意識した作りになっています。「リーファー」には、元来、帆を巻き上げる人という意味がある。
四つ目は防寒対策としての前立て。これはダブルブレストにより、強風などの風の侵入を防ぐ役割があるディテールが施されています。
その他、身頃に縦に切られたマフポケットと言われる、手を温めるためのポケットなど随所に寒い海上での作業に適した仕様になっているのが特徴。
Pコートの着こなし
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Pコートは、細身のパンツと合わせてIラインシルエットを作ることで、縦にスッキリとしたスマートな印象を演出。カジュアルともに対応するきれいめの着回し力の高さにあります。
シンプルなコーディネートである分マフラーの色合いや質感に目が行きやすいので、上質な巻き物を添えるようにしてみましょう。
Pコートのおすすめカラー
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また、海軍の防寒着ということで、保護色となる海の色に溶け込みやすいネイビーを正式採用したことで、カジュアルウエアとなった今でもPコートと言えば、ネイビーをイメージする人が多いです。
「ブラック」「ネイビー」がまず一番、ついで「グレー」オーソドックスなこの3色で考えるべきかなと思います。
大人っぽくクールな雰囲気を獲得できて、着回しもしやすい色ならブラックがオススメ。
シック感が漂うブラック一着持っていれば大抵の服と合わせられますが、インナーにはグレーなどのベーシックな色でいいので、黒とのコントラストをはっきりとつければ大人っぽくキマリます。
アウターに黒を持ってくると普段のトップスやボトムスも黒を合わせると重たくなってしまうという方にお勧めなのがグレーカラー。インナーにはグレーよりも明るいホワイトを選ぶことで、大人な着こなしに。
また、細身な身体のラインを気にされているならば、膨張色なので、コンパクトなシルエットを大きくみせられます。
爽やかに魅せたい、若々しく見られたいのなら間違いないのがネイビー。クラシカルなデザインと相まってどこか知性を感じさせます。
暗くなりすぎず、明る過ぎない一番使いやすい色なので、着てみると意外にも合わせやすい、着回ししやすいカラーです。
Gloverall REEFER JACKET
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グローバーオールのPコートはREEFER JACKET(リーファージャケット)と呼んでおり、
生地にはキメが細かく風を通しにくい、イタリア製の高級メルトン素材を使用。ヴィンテージ生地のようで表面は滑らかで肌触りもいいですが固めのウール。
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シルエットもスタンダードシルエットミッド丈。ポケットのライニングはにはヴィンテージのようにコーデュロイ生地が使用しています。
MACKINTOSH BROOM
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細身のシルエットにショート丈、ビーバーフィニッシュと言われるウール地を使用している、光沢感がありとても上品な生地感のBROOM。
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無駄をそぎ落としたシンプルなデザインのPコートは、すっきりとしたシルエット。
まとめ
Pコートは防寒性を重視したメルトン生地で厚みがあるもの以外に、デザインや素材のバリエーションが豊富な肌寒い季節には欠かせないアウター。
一部の声で時代遅れやトレンド感がないなど評判がありますが、シルエットがしっかりとしたアウターなので、キレイめ、カジュアルをはじめとした、どんなジャンルでもコーデにも合いやすいアイテム。
ブランドによってデザインや機能性の違いなど、それぞれに魅力もあり、ディテールを見て好みのものを探してもいいですが、着心地や見た目に関わるボタンの違いで選ぶのがベター。
ずっと長く愛用できるコートとして、さり気なく着こなしが楽しめます。