秋冬ファッションの定番に取り入れたいアイテムとして、縄目、ひし形などの独特な模様編みが特徴的な、編み目のケーブル編みで編んだセーターのフィッシャーマンニット(ケーブルニット)があります。
ざっくりとした縄目模様のローゲージニットであることが大きな特徴の、温かみのある雰囲気に秋冬の着こなしにもピッタリなケーブルニットの代表格です。
ケーブルニットの代名詞的なフィッシャーマンニット
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ここ数年、ラグジュアリーブランドがカシミアなどの上質な素材を使用したケーブルニットを展開しており注目されています。
フィッシャーマンニットは漁師の防寒性と撥水性を考えた作業着として作られ、未脱脂ウールという油分を含むウールを使用しているため、着るとずっしりとした重みがあるのが特徴。
基本的な形はクルーネックのセーターがオーソドックスで、他にもタートルネック、カーディガンなど様々です。
-この記事の目次-
フィッシャーマンニットの代名詞的セーター
フィッシャーマンニットの代名詞ともいえる2種類のセーターとして、アランセーターとガンジーセーターがあります。
Aran Sweater(アランセーター)
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アランセーターとは、アイルランド本島西側に位置するアラン諸島で生まれたフィッシャーマンズセーターのひとつで、その家により家紋のように異なる縄状の独特の編み込みとハニカムなどの模様が特徴のセーター。
アラン模様と呼ばれる独特の編み柄にはそれぞれ意味があり、漁師が使う縄が表現しているもの、極寒の危険な海に出る漁の安全祈願を込められているもの、大漁を願う意味が込められているものなどがあります。
アランセーターはアイルランドの伝統的な漁師着ですが、元はイギリスやフランスの漁師達に定着していたガンジーセーター文化がアラン諸島に伝わり、アランセーターが完成したとも言われている。
Guernsey Sweater(ガンジーセーター)
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ガンジーセーターとは、ニットの産地として有名なフランス北海岸の英国海峡に浮かぶチャンネル諸島のガンジー島で伝統的に編まれてきたもの。
極寒の海で漁をする漁師の作業着として防風性、保温性を高めるタイトなシルエットに、クリンプ性の有る毛質のもので空気を含みやすい目の詰まった丈夫な糸で編んでいます。
アランセーターは浮き出す編み模様に対してガーンジーセーターはシンプルで、アームホールや裾にぐるりと施した編み模様が主流です。
また、海での遭難事故にあった際の身元が解るように家紋のような柄に編み込まれているところなどは、アランセーターとも共有する特徴。
その他に、前後区別の無い形状をはじめ、手仕上げによる身頃と袖のつなぎ目など、作業する上で機能的に動きやすさなど工夫されています。
ケーブル編みニットの着こなし感について
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ケーブル編みニットは立体感のある複雑な編み方をしており、またニット自体に厚みがあるものが多いため、生地の厚みによってはシルエットが大きく見せてしまいがちになりやすく、太って見えるという場合があります。
シャツとのレイヤードでははく、シンプルに一枚すっきり着こなすことでニット特有のゴワゴワ感をなくすことができ、また、着こなしもシンプルで簡単なため、コーディネートが苦手なメンズにもおすすめ。
ケーブルニットのサイズ感について
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ニットは非常に合わせやすいアイテムでもありますが、サイズ選びによっては印象がガラっと変わり、オーバーサイズでコーデの場合、メンズが着ると着ぶくれ感が出て、だらしない印象を持たれることがあります。
なのでサイズ選びについては、ケーブルニットは着ていくことで段々とサイズを馴染ませていくことができるため、丈はベルトが隠れるぐらいのジャストサイズをおススメ。
レイヤードスタイルを楽しむ場合でも、大きめのケーブルニットは基本的には避けましょう。
Inverallan
1975年に創業したスコットランドのニットウェアブランドのInverallan(インバーアラン)。
その手法は厳選した高品質なアラン糸で熟練の職人が約90時間もの時間をかけ、25,000ステッチからなる1枚のセーターを丁寧に編み上げています。
インバーアランに使用される伝統的なアラン糸は未脱脂のウールを使用。ある程度油分を含んでいるので汚れがつきにくいのも利点で、ちょっとした雨や雪などを弾き寒さから身体を守る保温性も抜群。
その綺麗にそろった隙間のない編み目とずっしりとした重量感のある、そして何よりハンドメイドならではの風合いから、世界最高峰のハンドニットメーカーとの呼び声も高い、アランニットの代名詞ブランドです。
街着としても何気なく着るだけでサマになるので、大人っぽく着られる場面が多いのも魅力。
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まとめ
もともと漁師の作業着だったこともあり、無骨な印象があるフィッシャーマンニットは今ではメンズファッションとして定番になっている。
しっかりと編み込まれた編み目と伝統のパターンはデザイン性も非常に高く、温かみのある雰囲気が特徴で、秋や春には一枚で、冬にはインナーとして使える優れもの。
季節感のあるフィッシャーマンニットは色合いを変えるだけでも幅広い着こなしができますが、上手に着こなすなら自分の体に合ったサイズを選ぶことをおススメします。