亀が甲羅から首を出す様子に似ていることから、タートルネックと呼ばれた、筒状の襟を折り返して着るニット。
タートルネックとは主にアメリカで使われている言葉で、イギリスではポロネック、フランスではコル・シュミネと呼ばれ、日本では日本酒を入れる徳利に似ているので、年配者からトックリと呼ばれていたりしています。
コーデに取り入れやすく使い勝手のいいタートルネック
もともとタートルネックは19世紀に寒冷地や海上における防寒を目的としていたため、主に漁師の作業服等で着用され、海軍のユニフォームの一部としても着られていました。
防寒等の機能性により重宝されていたのが20世紀に入ってからファッション的な要素に取り入れられるようになっていきます。
柔らかい雰囲気の風合いが季節感を感じるタートルネックは、程よい首元のボリュームが、コートやジャケットなどのアウターと相性がよくコーディネートのアクセントとなり、インナーとして重ね着したり、幅広く着回しが効くアイテム。
出典:https://www.rakuten.co.jp/
タートルネックといえば首元の特徴的なフォルムですが、キレイ目な印象にしたいときには、身体にフィット感のあるもの、カジュアルに見せたいときには、ゆったりとしたものを合わせるなど、コーディネートの幅を広くしてくれるエレガントなアイテム。
タートルネックは首元を寒さから守ってくれ、首元が寂しくなりがちなジャケットやコートなどに合わせるのにもおススメ。
いろんな洋服に合わせやすくて、温かさもバッチリ。そんなタートルニットは1枚で着てもサマになりやすいです。
ウール素材について
タートルネックで使われているのは、一般的に天然繊維のメリノ種の羊毛(ウール)ですが、ウールといっても産地や種類によっても異なり、繊維の細さによってランク分けもされています。
繊維の細さでランク付けされている代表的なものとしてはオーストラリアやニュージーランドで有名なメリノウールや、インドの北西部のカシミール地方に生息する山羊の毛であるカシミヤなどがある。
メリノウール素材
出典:https://www.rakuten.co.jp/
メリノウールの特徴として、ウール繊維にはクリンプ(縮れ)がたくさん空気を含み、毛が絡みあっているので保温効果が高く伸縮性があります。
また、熱が伝わりにくく吸湿性が高いという特徴から、夏場は体から発せられる熱や水蒸気を洋服の外側に放出してくれます。
カシミヤウール素材
出典:https://www.rakuten.co.jp/
カシミアヤギの毛から作られる繊維のカシミヤの特徴は、軽くて柔らかい肌触りで保湿性と吸水性が高く、汗をかいてもすぐに吸収して発散してくれます。
同時に柔らかい質感と独特のヌメりのある艶感を持ち、そのヌメるような滑らかな肌ざわりは極上の心地良さを運んでくれ、高級な繊維として知られている。
ハイネックやタートルネックの違い
ネックにはたくさんの種類がありますが、デザイン性も豊富で、タートルネックに似ているハイネックやボトルネックなどがあります。
ハイネックについて
出典:https://www.rakuten.co.jp/
ハイネックとは、折り返さず首に沿って立ち上がった襟元のこと。
どちらも襟元が長いアイテムですが、折り返えしがないので、首回りのボリュームがスッキリして見え、ハイネックはキレイめ、タートルネックはカジュアルな印象を持ち、タートルネックより襟元に余裕があるのが特徴。
ボトルネックについて
出典:https://www.rakuten.co.jp/
ボトルネックとは、瓶の口のように首に沿って折り返さずに立ち上がった首元が大きく開いたデザインです。
クルーネックから立ち上がっているような襟元で、実際より首の位置が下にあるように見えるため、首を長く見せてくれる効果があり、首が詰まりすぎずスッキリ見えるのが特徴。
タートルネックの着こなし感について
ここ最近のゆったりシルエットのトレンドからもいえることですが、タートルネックなので首回りのサイズが合っていないと、首回りがスカスカの状態になってしまいがち。
そんな着こなしの難易度こそ高めですが、着こなし次第では男らしく、十分にカッコよく仕上がります。
カジュアルにタートルネックを着こなしたい場合は、少し大きめで、ボリューム感のあるタートルネックのセーターをあわせるのがコーデの定番。
タートルネックの折り方
一般的なのは外側に1回だけ折る折り方です。
折り返さずにクシャクシャッとさせた方がラフでリラックスした印象になり、折り返した場合シワが出にくいためカッチリとした整った印象になる。
特に折る回数には決まりがないので、色々な回数で折り方を試して自分に似合う折り方を探してみてください。
JOHN SMEDLEY
1784年にイギリスはダービーシャー州のマトロックで創立した老舗のニットブランドのJOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)。
ニットウェアが主流で品質の高さが評価され、創業から230年以上変わらず作り続けられるニットの世界に名を知られているブランドです。
イギリス王室御用達ロイヤルワラントを授かった格式高いブランドとしても有名で、創立時と変わらず自社工場で厳選された上質素材を使いファインゲージニットを製造。
同社のファインゲージニットは、シンプルで飽きのこないデザインから最高峰のニットウェアとして知られるブランドの代名詞として、現在に至るまで作り続けられています。
出典:https://www.rakuten.co.jp/
まとめ
首元を温めることが出来るタートルネックニットは、薄い着こなしでも暖かく着ることができるのがメリットな反面、着こなしを間違えると首が太く見えてしまうなどからダサいと言われがち。
そのため幅広いシーンで使えるタートルネックは、自分の首の長さに合わせて外側に折り返して着ることで野暮ったく見えなくなります。
タートルネックを上手く着こなせれば見た目の印象を変えられるだけでなく、アウターとの合わせ方一つで秋冬のコーディネートの幅を広くしてくれるアイテムです。