1998年に創業した日本の皮革製品ブランドのWILDSWANS(ワイルドスワンズ)。
10年後、20年後も同じように愛用してもらえることを目指して合理的な作り方はせず、昔ながらの職人技を生かして手間をかけすぎと言われるほど、丁寧なモノづくりを追求しているブランドです。
世界トップクラスの美しいコバなのがWILDSWANSの魅力
基本的には丈夫で長持ちすることをテーマとしてにデザインしているので、財布を長持ちさせやすいという点が最大の魅力とも言えます。
上質な素材をもとに存在感のある革製品を生み出す、皮革に対する強いこだわりと細部まで徹底した日本の職人が手作業で仕上げることで、じっくり経年変化を楽しむことができます。
何年も使用できる革だからこそ思い入れも大きくなっていき愛着がわいてくるんです。
-この記事の目次-
ブランド名の由来について
ブランドネームの由来は、創業者である鴻野氏の“鴻”が中国では野生の白鳥を意味していることから英語のワイルドスワンズと命名。
こだわりのコバ処理
革製品は、基本的に複数の革を重ねたり張り合わせて作られており、コバの処理がされていないと毛羽立ってきたり見栄えが悪くなるのはもちろん、革製品の耐久性に影響が出ます。
コバとは、革の裁断面や革製品の端や縁の部分で、丸コバと呼ばれるワイルドスワンズこだわりの技術です。
ここの磨き上げこそが、もっともワイルドスワンズが手をかけている箇所であり、製作工程には企業秘密も含まれているといいます。
ワイルドスワンズではこのコバに対して、高度な技術を要する独自の製法を持って処理をしており、ここでも高い耐久性に繋がるこだわりを見せています。
コバ専用の補修道具のスリッカー
ワイルドスワンズのアイテムにはスリッカーと呼ばれる木製のメンテナンス用品が付属されてきます。
財布を長く使っていると革を何層にも重ね合わせて丸く面取りをしているため、コバが傷がついたりしてくることがあります。
コバに傷がついたり、へこんだ際はスリッカーをコバ部分に当てはめ、素早く滑らせるようにします。
摩擦熱で表面の染料が溶け滑らかになり、元のなめらかなコバを再現できるようになっているんです。
最後にコバの表面を乾いた布で軽く拭いて頂くと艶が戻ります。
美しく上質なWILDSWANSのレザー
WILDSWANSの革製品は世界中のタンナーから質の高いレザーを仕入れています。特に、オイルを多量に含んだ堅牢かつエイジングの楽しめるレザーが充実しています。
サドルプルアップ
サドルプルアップはベルギーのマシュア社(19世紀創業の老舗タンナー)が生産する「ベジタブルタンニンなめし」という100%ナチュラル製法でつくられたレザーで牛のショルダー(肩)を使っており、強度と柔軟性を併せ持つのが特徴です。
サドルとは、馬術や乗馬の鞍(サドル)が語源で、プルアップとは革の中のオイルが屈曲によって移動する現象の事を指し、使い込むにしたがって風合いを帯び、革に含まれているオイルが移動して、革の繊維が柔らかく変化していくことを示しています。
つまり、植物タンニン&オイルで長期間の使用を見据えて、エイジングもゆっくりと進んでいきます。
フルグレインブライドルレザー
フルグレインとは、銀面と呼ばれる皮の表面の部分を使用していることを意味し、イギリスの老舗タンナー、ベイカー社(J&F J Baker)の代表的な皮革です。
ベイカー社では通常のブライドルレザーと異なり、オーク樹皮から抽出したタンニン溶液を用いて1年以上の長い歳月をかけてじっくりと鞣しを行っています。
革で一番強度のある銀面をそのまま活かし、それによりて耐久性、耐水性に優れて分厚く強度があり、迫力・味のある堅牢なブライドルレザーとなります。
そのため、内部までワックスが浸透しているため、使い始のメンテではクリームを使う必要もなく、革表面が乾燥してきたら、少量のクリームを塗布していただくだけで問題ありません。
WILD SWANS BYRNE
定番の3つ折り財布BYRNE(バーン)。ベルギー牛革のサドルプルアップを使用しており見た目の美しさに手のひらサイズのちょうど良い大きさと見た目以上の大容量と仕切りの付いたコインケースなど使いやすい機能性が特徴。
ワイルドスワンズらしいスナップボタン付きのラウンドしたフラップデザインも大切なポイント。永重層的な丸みを帯びた形状に仕上げてあり、熟練職人の技術の高さを感じることが出来ます。
バネホックで財布を止めるタイプですが、ホックの跡がエイジングによって浮き出てくるので、レザー特有の馴染みも使い込めば使い込むほどあらわれ、経年による変化も楽しめます。
WILD SWANS WAVE
ワイルドスワンズのラインナップの中でも大容量の収納力がある財布のWAVE(ウェーブ)。
特徴的な美しい曲線のフラップはデザインだけでなく、型崩れが起きづらいのも特徴。フラップの内側にはWILDSWANSのロゴが刻印されています。
この財布の大容量を支えているのがマチ部分です。W字型の2連折れマチは財布の底をササマチ構造にすることで大きく扇状に開くので、お札やカードの出し入れも超スムーズ。カード段は12段、ポケットはパスポートなどたっぷりと収納します。
長財布ならではのコードバンのしっとりとしたツヤのあるエイジングを存分に味わうことができます。
財布のエイジングサポートしてくれます
普通に使えば十数年間年は使えますが、革の種類によっては長持ちするかどうかは使用する人次第とも言えます。
WILDSWANSでは末永く、いい状態で使い続けてほしいという思いから、購入した後も安心できるサービスとして、リペアやエイジングサポートを行っています。
直営店に直接持ち込むか、郵送で送ることで、適切なメンテナンスを金額とともに提示した上でメンテナンスを行っくれます。
詳しくはオフィシャルサイトに掲載しています。
https://www.wildswans.jp/aging-support/
まとめ
レザーマニアの間では実力派ブランドとして知られているワイルドスワンズは、独特の丸みがある作りにコバやステッチの色味、刻印に至る細部まで上質で美しい皮製品を多くラインナップ。
財布の長持ちにも繋がる美しいコバの曲線は、一点一点職人の手作業で磨き上げることで仕上げられた、ワイルドスワンズこだわりの製法によるもの。
他とは全く違う手触りになっているとまで言われる革財布をはじめとする小物や、革本来の魅力に触れたい人にはオススメできるブランドです。